
'Ūniki
'Ūnikiとはフラの卒業の儀式のようなもので、‘Ōlapa(ダンサー)、Ho’opa’a(チャンター)、Kumu(クム)という3段階での卒業の儀式があります。
フラの学びを深めてそれぞれの段階で十分に学んだという節目の為に行う儀式であり、またこの儀式はそれぞれのハラウが長年にわたって継承してきた大切な文化を、それぞれの段階でしっかり理解し実践できているということを示すものでもあります。
ハワイ語のNikiとは結びつけるという意味があり、'Ūnikiとは学んだそれぞれの知識を結びつける、またそれらの知識と自分を結びつけると言う意味があります。
日本でもこの'Ūnikiという言葉が一人歩きしているようでもありますが、これは日本で言うお免状をもらうものとも違いますし、それらしい儀式をしたから良いものでもありません。
そこに行き着くまでにはたくさんの時間と辛抱強い学び、そして師弟の信頼関係が築けたときに初めて成り立ちます。

クム ミイラニは2006年にアンティーメイから'Ūnikiを受けました。
そして自身が'Ūnikiを与える立場となったとき、次のように話しています。
「'Ūnikiを自分が与え得る側に立って初めてクムフラとして完結するのだと実感しているのです。
自分がクムフラとして普通に教えるだけでは経験し得ないたくさんのことを今まさに体験している最中です。
そして今初めて私のクムがして下さった事の一つ一つが本当の意味で理解できているという感覚です。」
アンティーマイキは1970年代に忘れかけていた'Ūnikiの儀式を復活させた第一人者とも言われています。
当時は観光客向けにショーとして踊られることが主流だったフラに古くから踊られていた古典フラを復活させ、またこれでは古くから継承されていたUnikiなどの儀式は廃れてしまうと考え、沢山のクムフラを輩出することでこの伝統が未来に継承されるよう尽力された方です。
そしてその右腕だった私のクム、アンティーメイがご自分の人生を賭けて、また90歳も超える今でもその伝統継承のために私たちを指導し導いて下さっています。
このようにフラはそれぞれの代に伝えていくもので、私たちのハラウはアンティーマイキのフラを継承する事を一番大切にしています。
'Ūnikiの学びはただ踊りを覚えたり、チャントを覚えて、技術的にできるだけではなく、その過程で自分を見つめ、フラと向き合い、様々な困難を超えていく中で初めて奥深いものを理解することができる、言葉では表せないような学びです。
もちろんフラを学ぶのに全ての人がそうしなくてはならないわけではないですが、縁あってその学びに関わる事が出来ることは何にも変え難い貴重な経験を積むことが出来ると思います。
そしてこの学びに直接関わる、関わらないにしても、ハラウと言う家族の協力やサポートがあって初めて実現できるものです。
このご時世、ネットを叩けば色々な情報が出てきますが、フラに関しては本当の情報はなかなか簡単にネット上には上がってきません。
まして、そこに出てくるようなものは時としてビジネスが絡んでいたり、言った者勝ちの世界だったりします。
だからこそ、ハラウで学んでいる皆様には、そのような情報に惑わされることなく、私たちの継承してきたフラの伝統が私たちの一番大切にするものである事を理解して頂き、学んでいる事を感謝し誇りを持って頂きたいと思っています。
日本でもアンティーマイキのフラを継承していると言っているグループは沢山ありますが、本当の意味で正式に学び、この'Ūnikiに至っているグループはなく、私達Kiheneが日本で最初のアンティーマイキの継承者となります。
そしてそれはアンティーマイキの昔からの願いでもあった事で、私達がそれを実現できることは光栄であり、感謝でしかない事です。
